住宅あんしん工程検査(建築中の住宅検査)の1つである基礎配筋および型枠設置後のアンカーボルト等の検査(診断・チェック)のご案内です。基礎の底盤や立上りの配筋等の検査項目(チェックポイント)の例も公開します。
基礎配筋のチェックには2つの機会がある
住宅の建築工事が始まって早い段階で、建築中の検査の最初の重大なポイントとなる基礎の配筋(鉄筋)の検査があります。基礎の底盤(ベース)部分と立ち上がり部分の配筋工事、型枠設置といった工程が対象の検査です。
基礎配筋検査とは、基礎工事の配筋をした段階で、基礎図面の計画通りに施工されているかどうか、配筋工事を終えたときに現地で立会いして確認する検査サービスです。
施工と関係がない立場で行う第三者によるチェックです。その検査内容は後述していますので、そちらでご確認ください。
基礎配筋に関わる検査のタイミングは、大きく分けて以下の2回です。
- 基礎配筋検査
- 基礎立上りの型枠検査
この2回に分けられる理由は、コンクリートを打設する回数とタイミングにあります。多くの一戸建て住宅の基礎工事において、コンクリートは、基礎の底盤(ベース)部分と立上り部分の2度にわけて打設します(コンクリートの2度打ちと言う)。
コンクリートを打設すると、その内部の配筋などが隠れて見られなくなるため、打設する前に検査をする必要があるのです。
基礎の工法・規模・工程によっては、コンクリートの打設回数が3度以上ということもあります。高基礎の場合は、これに該当することも多いです。その場合、基礎配筋等の検査回数を増やして対応することもできますが、その分、検査費用が高くなるため、事前にご相談ください。
基礎配筋検査のタイミングとチェックポイント
基礎配筋に関する2回の検査のうち、1回目の検査について、そのタイミングと検査項目(チェックポイント)を説明します。この検査は、底盤(ベース)部分の配筋状態を確認する目的で行う基礎配筋検査です。
検査のタイミング
基礎配筋検査は、基礎の底盤(ベース)部分の配筋の施工状態を確認できるタイミングで行います。具体的には、底盤の配筋工事を終えた後、且つ、底盤のコンクリートを打設する前です。
底盤(ベース)部分にコンクリートを打設した後には隠れて見られない箇所です。
基礎配筋検査の検査項目(チェックポイント)
基礎の配筋検査(鉄筋の検査)の検査項目(チェックポイント)を「配筋等」「型枠」に分けて紹介します。但し、工事の進捗・建物のプラン・工程等によっては以下と異なることもあります。
配筋等
- 防湿シートの施工状況
- 基礎伏図・断面図等との照合(鉄筋径・位置・ピッチ等)
- 鉄筋の継手の長さ
- 鉄筋の定着長さ
- かぶり厚さ(スペーサーの位置・間隔・鉄筋の垂れ下がり)
- スリーブ等の配管部分の補強筋
- 鉄筋の波打ち
型枠
- 型枠の設置状況
- かぶり厚さ
基礎立上りの型枠検査のタイミングとチェックポイント
基礎配筋に関する2回の検査のうち、2回目の検査について、そのタイミングと検査項目(チェックポイント)を説明します。この検査は、立上り部分の配筋やアンカーボルト、型枠設置状態などを確認する目的で行う基礎立上りの型枠検査です。
検査のタイミング
基礎立上りの型枠検査は、基礎の立ち上がり部分の配筋やアンカーボルト、型枠の施工および設置状態を確認できるタイミングで行います。具体的には、立ち上がりの型枠を設置し、アンカーボルト、ホールダウンボルトを施工した後、且つ、立ち上がりのコンクリートを打設する前です。
基礎立上りの型枠検査の検査項目(チェックポイント)
基礎立上りの型枠検査の検査項目(チェックポイント)を「配筋」「型枠」「アンカーボルト・ホールダウンボルト」に分けて紹介します。但し、工事の進捗・建物のプラン・工程等によっては以下と異なることもあります。
配筋
- 基礎伏図・断面図等との照合(鉄筋径・位置・ピッチ等
- 鉄筋の継手の長さ
- 鉄筋の定着長さ
- かぶり厚さ
- 人通口
- スリーブ等の配管部分の補強筋
- 鉄筋の波打ち
型枠
- 型枠の設置状況
- かぶり厚さ
- 基礎の形状・寸法
- スリーブ・配管等の状態
アンカーボルト・ホールダウンボルト
- 位置
- 固定状況
注意点・確認事項
- 現地検査時に目視確認できる範囲が検査対象です。
- 基礎詳細図・基礎伏図・平面詳細図・立面図・敷地配置図が必要です。給排水設備図が役立つこともあります。別途で基礎の仕様書がある場合は、提出してください。
- ご依頼前に、必ず、施工会社から検査の受け入れについて承諾を得てください。
基礎配筋検査および基礎立上りの型枠検査は、コンクリートを打設する前という制約があり、タイミングが限定されるため、検査日程を早めに調整して頂く必要があります。
検査依頼は2つの方法から選択できる
アネストに、建築中の住宅検査を依頼するとき、以下の2つのいずれかを選択できます。
住宅あんしん工程検査(建築中の1回検査)
- 主に、既に着工済みの方が、目前の工程の検査を急いで依頼するときや、気になる特定の工程の検査を1回のみ依頼したいときに利用します。
- 後から追加検査を依頼することができるので、既に着工済みの方は、まずはこちらを依頼して、検査時などに検査員にその後の検査項目や回数について相談するとよいでしょう。
住宅あんしん工程検査(建築中の住宅検査)※複数回の検査
- 主に、これから建築工事に着手する方(つまり着工前の住宅)が利用します。
- 着工日の1ヵ月程前に、弊社へお問合せ・ご相談ください。着工の直前でも対応可能な場合もあります。
アネストでは、現場で行う住宅検査(=ホームインスペクション)は、必ず、一級建築士の資格を持っている者が行います。もちろん、現場研修やノウハウを詰めたオリジナルマニュアルもあり、安心できる検査担当が対応しています。
基礎の不具合(施工ミス)の検査
既に基礎コンクリートを打設済みの住宅で、その基礎の不具合(施工ミスなど)の検査をご希望の場合、条件次第で検査対応できることがあります。
現地で目視できないコンクリート内部等を専門機材を用いて検査して欲しい、コンクリートの強度を確認したいといったニーズに可能な範囲で対応します。
ご希望・ご相談の内容や対象エリアによって、検査対応できる場合とできない場合がございます。まずは、お問合せください。
その他の検査内容
- 地盤改良工事の立会い検査(診断・チェック)
- 基礎配筋検査(底盤・立上りの鉄筋等の検査)
- 基礎コンクリート打設の立会い検査
- 基礎コンクリートの仕上りまたは土台敷きの検査
- 上棟後の構造躯体(柱・梁・筋交い・金物等)の検査
- 防水工事(外壁の透湿防水シート)の検査
- 断熱工事(断熱材の施工)の検査