住宅あんしん工程検査(建築中の住宅検査)の1つである上棟(棟上げ)後の構造躯体(柱・梁・筋交い・金物等)の検査のご案内です。構造躯体の検査の項目(チェックポイント)の例も公開します。
構造躯体(柱・梁・筋交い)の検査とは
上棟後の構造躯体の検査とは、建物本体の構造部分(柱・梁・筋交いなど)に構造金物を取り付けた状態で現地に立会いし、躯体と構造金物の設置状態を確認する検査サービスです。。
検査タイミング
上棟後の構造躯体の検査は、屋根の棟まで上棟した後、柱・梁・筋交いなどに構造金物を取り付け終えたタイミングで実施します。
外壁面の断熱材や防水シートが施工されると、構造躯体を確認できないため、その施工前に行う必要があります。
土台、柱、梁、筋交い、構造面材などやそれらを接合する金物など、この工程でも検査(チェック)すべき項目は多岐にわたります。基礎の配筋検査と並んで重要な位置づけです。
構造躯体の検査は全コースに含まれる
「住宅あんしん工程検査」のいずれの検査コースにおいても、構造躯体(柱・梁・筋交い等)の検査を行います。但し、工法・工程にもよりますが、これ以降の検査でも追加で検査(チェック)することもあります。
構造躯体の検査は、基礎工事と並んで非常に重要な部位の検査です。足場を利用して高い位置まで確認する必要があります。
検査項目(チェックポイント)
構造躯体(柱・梁・筋交い等)の検査としては以下の検査項目(チェックポイント)があります。
但し、工事の進捗・建物のプラン・工程等によっては以下と異なることもあります。
2・3階床、梁・桁等
- 梁等の位置・断面寸法・高さ(階の中の高低差)
- 継手・仕口の位置、接合状態
- 金物の設置状態
- 火打ち金物・火打ち梁の設置状態
- 構造用合板の厚さ
- 構造用合板の釘の種類・ピッチ・めり込み・位置のずれ
- 各部材の構造耐力上支障のある割れ・欠き込み等
- 合板等の著しい雨濡れ
- 傾斜測定
柱
- 通し柱または管柱の位置
- 通し柱に代わる管柱の補強状態
- 開口部の位置・高さ
- 土台との接合状態(割れ・隙間・ねじれ)
- 横架材との接合状態(割れ・隙間・ねじれ)
- 接合金物(ホールダウン金物等)の位置および種類
- 接合金物の設置状態
- 各部材の構造耐力上支障のある割れ・欠き込み等
- 防腐・防蟻処理の範囲
- 傾斜測定
筋交い
- 筋交いの位置
- 断面寸法
- 筋交い金物の設置状態
面材耐力壁
- 告示・認定等の仕様の確認(面材の厚さ・釘の種類・釘のピッチ、受け材の寸法・釘の種類・釘のピッチ)
- 構造用合板等の位置
- 構造用合板等を留め付ける釘の種類・ピッチ・位置のずれ
- 入隅部・真壁・床勝ち部分の受け材の寸法
- 受け材を留め付ける釘の種類・ピッチ
- 合板等の著しい雨濡れ
小屋組
- 小屋束・母屋・棟木等の位置・寸法・高さ
- 継手・仕口の位置、接合状態
- 金物の設置状態
- 雲筋交い・小屋筋交いの設置状態
- 振れ止めの設置状態
- 垂木の緊結状態
- 野地板の釘の位置のずれ
- 野地板の棟換気用の隙間の状態
- 各部材の構造耐力上支障のある割れ・欠き込み等
- 合板等の著しい雨濡れ
注意点・確認事項
- 現地検査時に目視確認できる範囲が検査対象です。
- 平面詳細図・立面図・矩計図・各階床伏図などの伏図・軸組図・金物配置図などが必要です。
- ご依頼前に、必ず、施工会社から検査の受け入れについて承諾を得てください。
外壁面の断熱材や防水シートが施工されてしまうと、これらによって構造部分が隠れてしまうので、タイミングに注意が必要です。また、検査時に屋根の防水シート(ルーフィング)が施工されている場合、一緒にルーフィングも検査できます。
屋根のルーフィングを施工後すぐに屋根材(スレートなど)を施工することも多く、工程次第では、ルーフィングを確認できません。その場合にルーフィングの検査も希望の場合は、追加依頼することも可能です。ただし、追加料金が必要です。
検査依頼は2つの方法から選択できる
アネストに、建築中の住宅検査を依頼するとき、以下の2つのいずれかを選択できます。
住宅あんしん工程検査(建築中の1回検査)
- 主に、既に着工済みの方が、目前の工程の検査を急いで依頼するときや、気になる特定の工程の検査を1回のみ依頼したいときに利用します。
- 後から追加検査を依頼することができるので、既に着工済みの方は、まずはこちらを依頼して、検査時などに検査員にその後の検査項目や回数について相談するとよいでしょう。
住宅あんしん工程検査(建築中の住宅検査)※複数回の検査
- 主に、これから建築工事に着手する方(つまり着工前の住宅)が利用します。
- 着工日の1ヵ月程前に、弊社へお問合せ・ご相談ください。着工の直前でも対応可能な場合もあります。
アネストでは、現場で行う住宅検査(=ホームインスペクション)は、必ず、一級建築士の資格を持っている者が行います。もちろん、現場研修やノウハウを詰めたオリジナルマニュアルもあり、安心できる検査担当が対応しています。
その他の検査内容
- 地盤改良工事の立会い検査(診断・チェック)
- 基礎配筋検査(底盤・立上りの鉄筋等の検査)
- 基礎コンクリート打設の立会い検査
- 基礎コンクリートの仕上りまたは土台敷きの検査
- 上棟後の構造躯体(柱・梁・筋交い・金物等)の検査
- 防水工事(外壁の透湿防水シート)の検査
- 断熱工事(断熱材の施工)の検査