アネストブレーントラストの代表者が、会社を創業するまでとその後のお話を代表者自身より紹介します。

不動産業界に入るまで

アネスト誕生

私が大学生のころ、あまり大学の講義にも出席せず無駄に時を過ごしていました。しかし、就職を意識し始めた3回生の時に漠然とした危機感から、何となく興味のあった不動産業界に関係のある宅地建物取引主任者(現在の宅地建物取引士)の資格を受験することにしました。

それでも、熱心に勉強するわけでもなく、1度目の受験には失敗しました(合格は翌年でした)。ただ、これを機に不動産業界への興味が更に深いものとなり、ハウスメーカーやマンション・ディベロッパーといった住まいに関する企業に対して就職活動するようになりました。

当時は、就職氷河期などと呼ばれていましたが、私自身は全く自覚もなくマイペースで活動していたように思います。住宅・不動産業界に絞ったといっても、特に具体的な会社選びの基準を持っていませんでしたが、最終的には初任給の高さやその企業の成長実績から、あるマンション・ディベロッパーへの就職を決めました。

この企業は、ファミリー向けのマンション分譲を事業としていました(正確には、そう説明を受けていました)。

いよいよ社会に出ていった年のことを私はよく覚えています。誰もが、はじめて社会に出るときには、様々な期待と不安があると思います。そして、高いモチベーションもあることでしょう。

就職してから私を愕然とさせたのは、事業内容でした。就職前に説明を受けていた事業内容と現実が異なるのです。主力事業は、ファミリー向けの分譲マンションではなく、投資用ワンルームマンションの分譲でした。私には、この違いがあまりにも大きく感じられ、最初の不信感が生まれたのです。

住宅・不動産業界への不信感

住宅・不動産業界への不信感

今思えば、自社の事業内容を誤認させてまで(偽ってまで?)学生を集めることには、不信感だけでなく企業の誇りを疑いたくもなるところです。

現在、私が弊社のことを説明する際には、事実の情報公開を心がけています。それは、弊社のお客様に対してはもちろんですが、弊社のパートナーやスタッフ、取引先など、弊社と関わりを持つ全ての人(会社)に対しても同じです。その一貫として、このホームページでも多くの情報を掲載しております。

自社のことをできるだけ正確に理解して頂くことが、良好な関係を築けるものだと考えているからです。不信感を持ったままの関係で良い仕事が出来るとは到底思えません。

その後、数ヶ月で、この会社を辞めることとなりました。このことが、業界への不信感を持つ1つのきっかけだったかもしれません。

転職後も不動産業界に留まり、比較的小規模な不動産会社に勤めました。この頃は、住宅・不動産業界全体に対して不信感を抱いていたわけではありませんでしたから。

小規模な会社に転職したのは、その方が不動産に関して幅広い経験ができると考えたからです。しかし、現実には、転職しても業界への不信感は募るばかりでした。強引な営業手法、誤魔化し、嘘(本人は大したことではないと思っていることが多い)を多く目の当たりにしました。

マイホーム

マイホームを購入する側にとっては、一生に一度か二度の大きな買い物です。それにも関わらず、売る側の意識の低さは驚くばかりでした。

会社や業界に失望したり、給与の未払いがあったりといろいろなことを経験しながら、何度か転職もしました。当時は、バブル経済の崩壊後であり、不動産業界は大不況の真っ只中にあり、経営的に苦しい会社が多かったのです。

住宅・不動産業界のモラルが低下してしまう原因はいくつかありますが、雇用体系が大きく影響していると考えています。

具体的には、「毎月の売上が直接的に自分自身の給与に跳ね返る給与システム(歩合制)」が問題です。

売った後のアフターフォローをするよりも、次の顧客に営業することを優先させてしまう原因になっています。なかには、いまだに、完全歩合制の会社もあるぐらいです。売らなければ給与がない状況、もしくは、目の前の顧客と契約すれば、給与が○十万円増えるという状況のなかで、正常な判断ができなくなる人がいても不思議ではありません。

そして、前述したように多くの不動産会社がバブル後の不景気で苦しい経営をしていたことも原因になっているでしょう。