アネストで実施した住宅あんしん工程検査(建築中の住宅検査)の事例のご紹介です。
建築中の住宅検査の利用は多い
住宅あんしん工程検査(建築中の住宅検査)は、住宅が建築される期間中、複数回の検査を行うサービスです。建売住宅でも注文住宅でも利用されており、その利用件数は増えています。
新築住宅では、売主や建築会社が第三者検査機関を入れているものの、その検査は簡易的なものであり、アネストが行う検査の細かさとは異なります。また、第三者とは言っても普段から同じ不動産会社や建築会社から検査依頼を受けている機関でもあるため、本当の第三者性という点では疑問があるものです。
売主等が入れる第三者機関の検査は全ての住宅で利用されているのですが、現実に欠陥住宅問題が無くならないこともからも安心できるものではないことが明らかです。「不動産業者が言う「新築住宅の住宅診断は不要」は本当か?」に建築トラブルが増えていることを具合的に書いておりますので、参考にしてください。
建物配置の確認
検査の対象住宅は木造で壁組工法の住宅です。今回の検査では、基礎配筋工事の状況を検査するものでした。
この住宅の検査に伺うのは今回が初めて、つまり第1回目の検査でしたので、配筋工事以外にもそれ以前の工程で確認できることは一通り検査を行います。
まずは、建物の配置を確認しています。建物の配置とは、その土地上のどこに建物を建てるかということであり、この確認は隣地や道路との境界からの距離を測ることで行っています。メジャーで確認するなどして、配置にずれがないことが確認できました。
建物の配置を間違うことなどないと思いがちですが、アネストの実施した住宅検査やご相談頂いくお問合せでも、毎年、何度かは確認されているトラブル事例です。配置がずれると隣地との距離が近くて隣地とトラブルになったり、日照や通風が異なったりと問題は大きいです。
基礎配筋の検査
今回の基礎配筋の検査は、底盤部分が主な対象です。底盤部分とは底の部分で、水平方向に配筋されている個所です。基礎のベースとも呼ばれています。
配筋の組み方に歪みがないか目視確認したり、鉄筋と鉄筋のピッチ(間隔)を計測したりと検査を進めていきます。
写真では、ピッチが図面通り200mmになっていることを確認しているところです。ちなみに、鉄筋そのものについては、径も確認しています。
かぶり厚の検査
基礎は、コンクリートの内部に鉄筋がある構造となりますが、コンクリート表面から鉄筋まで鉄筋までの距離のことをかぶり厚と言います。かぶり厚さが不十分であれば、基礎の劣化が早まる可能性があるため、住宅の耐久性という点で重要なチェックポイントだと言えます。
この写真は、そのかぶり厚の確認をするものです。コンクリートを打設した後では、このかぶり厚の確認が困難(方法はある)であるため、コンクリート打設前に診なければなりません。
写真では、四角い石ころを計測しているように見えますが、これが現場ではサイコロと呼ばれているもので、この上に鉄筋を置くように配置することで鉄筋からの距離を確保しています。鉄筋を宙に浮かせた状態にしておいてコンクリートを打設すれば、かぶり厚をキープすることができますね。
ですから、サイコロを計測しているように見えて、かぶり厚を検査しているのです。
ここでは、配筋検査の一部をご紹介しておりますが、他にも補強筋や継手の確認、配管周りなど様々な項目を検査していきます。項目については、基礎配筋検査(底盤・立上りの鉄筋等の検査)を参考にしてください。
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執筆者
ホームインスペクションのアネスト
住宅の購入・新築・リフォーム時などに、建物の施工ミスや著しい劣化などの不具合の有無を調査する。実績・経験・ノウハウが蓄積された一級建築士の建物調査。プロを味方にできる。